Apr 9, 2011

マクロビオティックを味方に!

www.kokusaikitchen.com


マクロビオティック実践していますか?原発の事が毎日ニュースになり、どんどん深刻になっているように感じてしまう私ですが、その状況をすぐに変える事はできなくても、放射能に負けない体にする事は出来ます。マクロビオティックのお食事は免疫力、デトックス力をあげてくれます。玄米、有機野菜、海藻、味噌、醤油、梅干し、お漬け物を上手に味方にして、自らの命、大切な人の命を守りましょう。

写真:マクロビオティックの基本の基本:
- あすきかぼちゃ - ひじきレンコン - きんぴら - おみそ汁 - 青菜のおひたし - プレスサラダ - 玄米ごはん。
今こそ、基本のお料理もしっかり実践!
*5/1(日)にこれら基本のお料理クラスをします。作った事がない方、上手に作れない方はぜひご参加ください。

以下クシインスティチュート講師のパトリシオ先生からのメッセージです。

志を同じくする皆さんへ  
KIJ エデュケーションディレクター パトリシオ・ガルシア・デ・パレデス
監修:久司 道夫


パトリシオ・G・D・パレデス

以下に記すアドバイスは、現在の放射能の影響があるかも知れない環境での注意であり、食事法です。平常の状態に戻った場合は、実行の程度をゆるめて、マクロビオティック通常食に戻してください。

3 月11 日金曜日、午後2 時46 分。多くの人命の喪失、家屋や施設の破壊など、社会生活に大打撃を与える大きな地震といくつかの津波が日本を襲いました。皆さんの殆どが被災地から離れ、安全に過ごしていることと思いますが、もし何らかの助けが必要とするならば、どうか私たちに知らせて下さい。

震災以後、日本の皆さんの安全を心配する数え切れないメールと電話が、アメリカやヨーロッパをはじめ、世界各国のマクロビオティック指導者から送られてきました。彼らは、このたびの困難から日本が1日も早く復興することを心から祈り、願っています。そして、多くの人が、ニュースレターの発行や新聞記事の掲載、又、人道支援や復興・救済活動を行なう各組織へ寄付をするためのチャリティー・コンサートの開催など、さまざまな活動を通して積極的に募金を集めてくれています。

私たちもまた、現在も困難に苦しむ被災者の方々に対して感じる心の痛みと連帯心を表し、私たちができる方法で彼らを支援していきましょう。皆さんの祈りや哀悼と意、明るい未来に向けた希望の思いを伝えることは、被災者の方々にとって大きな助けになることでしょう。しかし一方で、彼らがいま必要としているものがしっかりと彼らの元に届く方法についても考えて下さい。

今回の震災における最も大きな問題は、福島第一原発からの放射能漏れの可能性です。広島と長崎の経験から皆さんがよくご存知の通り、今回の状況は未来に向けての大きな課題だと考えられます。この困難にうまく対処するため、そして、よい助言を提供し、助けを必要とする人を救うために、マクロビオティックの見解と健康への影響を含めた放射能に関する情報を共有したいと思います。

高レベルな放射能を被曝した際に起こる身体への影響については、短期的なものと長期的なものの2つに分類されます。被曝すると、まず短期的なものとして次のさまざまな病症が現れ始めます。具体的には、吐き気や嘔吐、頭痛、鼻や口、歯肉または直腸からの出血後に起こる下痢、皮膚疾患、免疫システムの損傷と血球数の低下などが挙げられ、最終的に死に至ります。

さらに長期的なものとして、さまざまな種類のガン、とくに白血病や甲状腺ガンが挙げられ、その他に胃ガンや腸ガン、皮膚ガン、リンパ腫に加えて他の部位のガンが挙げられます。又、遺伝物質の変化・突然変異によって奇形児が生まれたり、出産における他の問題を引き起こします。そして、この影響は、とくに子供や女性に多く現れます。
例えば、1986 年にウクライナで起きたチェルノブイリ原発事故の後、長期的な身体への影響で紹介した甲状腺ガンが多く発生したことは広く知られています。事故により飛散した放射性物質にはヨウ素が含まれており、甲状腺はヨウ素を体に取り入れる働きがあるため、放射性物質のヨウ素が甲状腺に集まることからガンの発症率を高めます。甲状腺にヨウ素が集められるのを防ぐため、通常、高レベル放射能に被曝した可能性のある人、今回の震災でいう福島第一原発の近隣住民や周辺地域で改修作業にあたっている人たちには、ヨウ素カリウムの錠剤かヨウ素の錠剤が与えられます。基本的には、これにより甲状腺に放射性物質のヨウ素が定着することを防ぎます。

マクロビオティックの観点では、放射性物質は極陰性であり、強い膨張・拡散の作用をもたらします。つまり、放射性物質による病症は、すべて陰性ということになります。そして、癌は、陰性または陽性を伴った陰性の2つのタイプに分類されます。そのため体の状態を少し陽性よりに維持すると、放射性物質の影響を中和し、体のバランスを保つことができます。

次に紹介するお話は、放射能汚染に対していかに食べ物が効果的であるかが理解できる一例です。1945 年8 月9 日に長崎に原子爆弾が投下された時、秋月辰一郎医師は、聖フランシスコ病院の内科部長を務めていました。彼の著書では、どのようにして放射能汚染による病気や癌から数多くの人々を救ったかが説明されています。
「1945 年8 月9 日、原子爆弾が長崎に投下されました。人々を死に至らしめる放射能が全壊した町に広がり、多くの人が苦しみながら死に、そして、わずかな人に奇跡が起こりました。私たちの病院の職員は誰一人として放射能汚染によって死ななかったのです。病院は、被爆中心地から2 キロしか離れていませんでした。私と助手は、被曝して苦しんでいる多く人を助けました。病院には、味噌や醤油が多く備蓄してあり、又、十分なワカメと米もありました。原爆投下前に病院職員に玄米と味噌汁の食事を与えており、そのため誰も放射能汚染で苦しむことがなかったのです。これは、味噌汁を食べていたからだと私は確信しています。」

「私は、調理師と調理スタッフに毎回の食事について、塩をまぶした玄米おにぎりと塩気の強い味噌汁を作るよう命じ、決して砂糖を使わないよう厳しく言いました。そして、彼らが命令に従わない時は、容赦なく怒鳴り散らしました。」

「この塩のミネラルによる対処法により、私は命を永らえられ、医師として精力的に活動し続けることができました。致命的な放射線量でなかったのかも知れませんが、この対処法を実践した私や他のスタッフ、そして担当患者は皆、原爆の残骸である「死の灰」の中でも生き永らえることができました。原爆によるさまざまな病気などを乗り越え、私たち全員が人々のために日々働くことができ、放射能による惨劇から生き残ることができたのも この塩のミネラルによる対処法のおかげなのです。」

それでは、次に放射性物質による病気を防ぐために行なうべき食事法および生活法についてご紹介します。

◆ 毎回の食事で必ず全粒穀物を食べる。玄米や他の全粒穀物は、放射能の影響を取り除くのに効果的である。これらは良いミネラル源になり、ヨウ素、繊維をはじめ、栄養のバランスが取れている。繊維質は、腸の機能を高め、蠕動運動を通じて放射性物質の排泄を促す。被曝による下痢は腸の働きがゆるむからである。この他、直腸の内部が膨張して起こる出血もあるが、この場合、精製した穀物ではなく全粒の穀物によって体のバランスを取ることができる。食材の調達が困難になる場合、約2 週間分の玄米を自宅に備蓄しておくようにする。

◆ 味噌汁は、放射性物質の対処に最も効果的な食材の1つである。麦味噌は、2年以上発酵させたものを優先的に選ぶ。他によい選択として、玄米味噌や八丁味噌も挙げられる。ワカメの他、特に効果的な根菜やカボチャなどの野菜を使用するとよい。自宅に常に良質の味噌を備蓄するようにし、料理ができない場合は、水に味噌を溶かして飲むだけでもよい。

◆ さまざまな種類の野菜を使い、野菜料理を作るようにする。とくに効果的なのは、根菜やカボチャなどの円形野菜である。キンピラや煮しめ、味噌風味の煮物や鍋など、火を強く長めに入れた野菜料理は、大変有効である。熱帯産の野菜、又、とても酸性の強い野菜は避けるようにする。もし手に入るなら、よりミネラルを含んでいる有機栽培かより自然に近い栽培法の野菜を摂ることをお勧めする。油はごく少量、できればゴマ油かなたね油を使用する。生野菜は避けるようにする。

◆ 豆の場合は、小豆や黒豆、レンズ豆、ひよこ豆などの小さい豆類が望ましい。小豆カボチャまたは根菜とともに調理した黒豆などの料理が効果的である。

◆ 海草類もまた放射能を中和するのに重要な食材である。海草類は、ヨウ素を含むミネラルを多く含んでいるので、ヨウ素剤で取るよりも効果的である。又、海草類はさまざまな放射性物質を体外に排出する働きがあることが解明されている。この場合、昆布、ワカメ、ヒジキ、またはアラメなどが特に効果的である。もし調理ができない場合は、海苔を食べるだけでも良い。又、青海苔などの海草で作られたふりかけなども有益である。

◆ 種子類も効果が高く、とくにミネラルを多く含んだゴマが有益である。ナッツ類は油分が多いため控えるようにし、ナッツバターは避けた方が良い。

◆ 果物類は、控えるようにする。リンゴのようなより陽性な果物は食しても良いが、調理して食すのが望ましい。多量の放射能を浴びた場合、しばらくの間、果物は避けた方が良い。熱帯産またはオレンジや柑橘系などの酸性の強い果物は、より陰性で体内のミネラルを消耗するので避けるようにする。

◆ スイーツなど甘いものは控えて摂るのが望ましく、果物類と同様に多量の放射能を浴びた場合は、避けた方が良い。穀物飴や甘酒などのようなより陽性な甘味料が好ましい。その他の甘味として、甘栗や甘い野菜などが含まれる。

◆ 動物性食品は、脂肪分が多く、体内環境を酸性にするため避けるのが望ましい。とくにより陰性な乳製品は、絶対に控える。乳製品は、もし多量の脂肪分や粘膜が蓄積されていた場合、放射性物質が体外に排出されにくくする。さらに、放射性物質は、乳製品のような動物性食品に蓄積される傾向にある。

◆ ゴマ塩や鉄火味噌のようなふりかけ類は、数多くのミネラルを含んでいるため大変有益である。漬物もまた良いミネラル源であり、酵素を含んでいるため積極的に食すと良い。とくに良いのは、沢庵や梅干しなどの古漬けである。海塩や醤油などの良質の調味料も重要な食品である。これらを常時自宅に備蓄するよう心がける。

◆ 一般的に、強い陰性の食品や飲み物、たとえば白砂糖や菓子類、チョコレート、スパイス、熱帯産の食材、農薬や添加物などが加えられた加工食品、精製された食材、コーヒー、紅茶、ハーブティー、刺激の強い飲み物、アルコール飲料などは避ける。

◆ もし放射能レベルが高くなった場合、できる限り密閉した室内に留まるようにする。人々がシェルターを造るのも、放射能の侵入を防ぐためである。こうしたシェルターは、冷戦時代に核爆弾を恐れる人によって多く造られ、ヨーロッパ地域ではすでに一般的となっている。又、体のミネラルを消耗しないよう長時間のシャワーや入浴は避ける方が良い。少し留意しながら常識の範囲で上記の推奨事項を実行して下さい。たとえば、良好な体調を保つために、基本の食事法を含めた上記の推奨食材をとることをお勧めします。しかし同時に、それらをあまりに厳格に行う必要はありません。又、ミネラルや陽性の食材を摂りすぎると、陰性の食材や飲み物に強く惹かれてしまうので、たくさん摂れば良いというわけではありません。常にバランスと加減を考えるよう心がけて下さい。しかし、もしお住まいの地域で放射性物質の飛散が始まり、それが深刻な状況になった場合、その時は推奨した食事指導を厳格に注意深く行うことをお勧めします。


冒頭に記したとおり、上記の食事法は放射能の影響を前提とした際のアドバイスです。長期間、厳格に継続するものではありません。平常時に戻りましたら、マクロビオティック通常食に戻すようにしてください。ぜひ家族や友人、皆さんが指導する生徒さんたちに、こうした非常時に実行すべき重要な事柄、適した食事法について教えてあげて下さい。この情報が福島第一原発の周辺に住む人たちに届くことを願っています。皆さんもぜひインターネットを利用してこの手紙の内容を人々に伝え、又、ご自身のコメントを書き込みして下さい。その際、この情報を簡潔にまとめたり、他の提案を付け加えたりしても構いません。

今回の逆境を学びの機会、命について熟考する機会にし、日本と世界に健康と平和と幸福をもたらすため、この試練の時にこそ私たちが互いに助け合い、支え合うことを心から願っています。震災に見舞われた方々が1 日も早く笑顔を取り戻すよう祈っております。(パトリシオ・G・D・パレデス)

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